essay

その1

精神科で薬を使うと聞くと、すぐに薬漬けにするのだろうと思う方達がいます。それは一面で正しい。どういうことかと言えば、精神疾患のうち最も治療困難とされている疾患に統合失調症という病気があります。統合失調症は、幻聴が長期間聞こえてそれに対して…

ご報告

2005年12月、B区C駅駅西口徒歩2分に、小児精神科専門診療所として、西竹の子クリニックは生まれました。担当医は私だけ。診察日は水曜のっご2時から6時半までと、土曜の午後2時から6時半までの週2回。カウンセラーは、各曜日専任が1人ずついる…

クスリってなんだろう。考えてみる。

病気を治療してくれるもの、ということしか浮かばない。 クスリを使いたくない、という病気の人は多い。何故? クスリ大好き人間の僕には理解できない。自然なままが良い、と言う意見もある。だったら、自然に病気になったのだから、病気の悪化も受け入れれ…

こんなんあり?

世間は成果主義への転換を図ろうとしている。いや、すでに転換してしまったのかもしれない。にもかかわらず、医療制度は旧態依然としているようだ。これだけでは何をいっているのかわからないと思うので、少々説明したい。 私が3ヶ所の診療所に勤務している…

アスペルガー批判を、批判する

今日、書店で偶然見かけた雑誌に我が師の小論があった。我が師は障害児教育に一家言あって、なにやら難しい論理を展開して、周囲を煙に巻いてしまう性質がある。それは私が直接関わった2年間にも如実に発揮され、やはり何を言っているのかがわからなかった…

何が援助になるのか

随分更新をさぼってしまいましたが。 先日、医局(うちの連中は、そう呼ばせないが)のOBの集まりがありました。気が付くと、巣立ってから15年近くの時が経っていたんですねぇ。先輩のM先生も、今じゃ大御所入りしたらしく、風格が備わっていました。 …

精神科医の資格問題について思う

今学会で、正式に承認される精神科専門医制度について、多々疑問が残る。 まずは、学会が認定する資格であると言うこと。学会というのは特定の利益を追う団体であるのは言うまでもないが、その団体が発行する資格に何の意義があろうか。これは例えば、ある会…

心意気

近々、理事会があって、その場で私の子どもの精神科専門外来の開設が決定する。 ところで、最近のこの分野のトピックは、注意欠陥多動性障害と発達障害なのだそうだ。多くの子どもクリニックや専門外来にあふれているという。それはいい。が、初診予約が数ヶ…

無言の対話

私は対話が大の苦手である。おやっと思われる方もいるだろうが、自覚的にはそうである。診療場面で何かを伝えるということは、時に神が断罪するにも等しく、あるいは悪魔が取引条件を提示するようなものだから、その一言一句は重みがある。私はその重みに耐…

手首の傷

最近問題になっていることに、リストカット症候群というのがある、何かに付けショックなことがあると、手首を切ってしまうのである。一般的には小刀系の物できるから、きずは浅く血がにじむ程度のことが多い。やっかいなのは、手首の内側の筋肉や腱を損傷し…

「私は治るんでしょうか?」

よく尋ねられます病名は?、状態は?、治療は?。そして治りますか?。新たに発症した方限定でのお答えですけど、大丈夫ですと応じます。 統合失調症は三分の一の確率で再発と寛解を行ったり来たりしますが、三分の一の方は薬を服みながら立派に社会生活を送…

あなたは治りません

こう、宣言する医者が増えているような気がする。 以前に受診した患者さんで、「あなたは人格障害だから治りません。○○という薬でも服んでいなさい」と宣告されてショックを受け、それが本当かどうか確認のために受診された。 人格障害という言葉がいけない…

治療の境界線

不登校・登校拒否(以下不登校)、学習障害、ひきこもり。これらの状態を発見した場合、どうされますか?。不登校も10年程度前までは、早期発見早期治療が叫ばれていましたが、児童青年精神医学会での議論の結果、それは誤りであることが結論づけられまし…

はじめまして

はじめまして。自称小児精神科医のKumahigeと申します。 自称、としましたのは、日本には児童精神科医・小児精神科医を認定する機関が一つだけしかなく、日本児童青年期精神医学会(だったかな)というところだけなんですが、ここは子どもの精神科だけを勉強…